忍び寄る病魔(その2)

雨が続いたとある日、夜散歩の後レインウエアからはみ出ている足と尻尾
そして頭をタオルで拭きながらドライヤーを掛けていた時だった。
喉付近で指に何かが当たり最初は“軟骨?”と思ったが念入りに触ってみると
それは鶉の卵より少し小さなしこりだった。

良からぬ事を考え出しそうな心を落ち着かせ、先ずは小てママに知らせる。
そしていつもの動物病院に連絡と思ったが診療時間をかなり過ぎているし
院長先生の携帯に連絡するのも憚る気がして明日一番に連絡を入れる事で
自分を納得させた。

色々な事が頭をグルグル廻り少しの間ボーッとしていた私の足を踏んずけて
正気に戻してくれた黒い相棒は、いつもの様に尻尾をグルングルン回しながら
“散歩のご褒美早くちょうだいな”と私に向かって目光線を照射している。

そんな仕草が愛おしくて喉のしこり付近に手を当て、お袋が子供の頃良くやって
くれた御呪いをしてあげた。
痛いの痛いの 何処かに飛んでけぇ~

                                         つづく040.gif040.gif

by fspencer | 2015-09-30 21:52 | カイの事