忍び寄る病魔(その7)

先生「無事に組織採取が済みました。出血も殆どありませんので安心して下さい。
こういう時カイ君は辛抱強く我慢してくれる子なので本当に助かります。
では早速組織検査に入りますがあくまでも簡易検査なのでグレーの場合
専門の検査業者へ依頼する事はご了解頂けますか?」

私「ハイ、勿論です。どうか宜しくお願い致します」

先生「それでは検査結果が出ましたらお呼びしますので待合室でお待ち下さい」

ここまで結構な時間が経過していたので小てママを待合室に残し用足しにカイを
連れ出した。
お昼近くの日差しの中、小てつやキラそして健王やクロマメの事やら色々考え
ながらトコトコ歩いていると“そろそろママの所へ戻ろ”と言いたげにカイが私を
見上げる。動物病院へ戻り少し空いてきた待合室で名前が呼ばれるのを待つ。

検査結果がどう出るか・・・心配で心配で言葉少なに私と小てママで代わる代わる
カイの事をただ撫でていた。
そんな気持ちを察してかカイは“どうしたの?”と言いたげに二人の顔を覗き込む。

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それから少しすると院長先生が直々に最初に入った診察室へ案内してくれた。
その手には検査結果が入っていると思しきクリアファイルが・・・。

わざわざ奥から出て来て直接案内してくれるって結果が良い?それとも悪い?と
たった数十秒間だったが心が激しく揺れ、頭がクラクラして来た。

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# by fspencer | 2015-10-12 09:34 | カイの事 | Comments(0)  

忍び寄る病魔(その6)

先生「血液からは特に異常は見られませんが一つだけコレステロール値が前回
より高いのがチョッと気になりますね。ま、原因の特定は後程として早速しこりの
組織を採取しますので隣の診察室へ移動しましょう」

血液検査表を見せて頂くと総コレステロール値のみが244mg/dl→349mg/dlへ
上っており基準値の上限を越えている。
最近レバー缶詰の量を増やしたためか?それとも散歩のご褒美を牛肉ジャーキーに
変えたせいか?と色々考えを巡らせたがそんな事より組織検査が先だった。

診察台から“よいこらしょ”と約36kgを降ろしエコー(超音波診断装置)が設置
されている診察室へ小てママと三人で一緒に入る。

エコー画面を鮮明に確認するため灯りを暗くした診察室は初めてでないが
補助のスタッフの方2人が左右に居るいつもと違う雰囲気にカイも少々緊張
しているかの様に見えた。

私と小てママは少し離れた所に居たが、エコー画面でしこりの場所を特定し
院長先生がスタッフの方に目で合図しカイに声を掛けながら針を刺そうと
している。
と、ここまではしっかり見ていたがそれ以降恐くて顔を伏せ目を閉じながら
“カイ、頼むから頑張ってくれ!” と口の中で呟くのが精一杯だった。

少しして恐る恐る顔を上げるとエコーの画面を写真に撮った後組織を採取した
シリンジをスタッフの方が検査ルームへ持込みする処だった。

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# by fspencer | 2015-10-11 08:31 | カイの事 | Comments(0)  

忍び寄る病魔(その5)

先ずは体重測定から・・・診察台に組み込まれた体重計の表示は前回とほぼ
変わらず35.80kgを指しているがこれを見る度、こ奴のデカさを実感する。

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次は血液検査・・・右後ろ足をゴムで縛りアッと言う間に採血が終了する。
いつもながら院長先生の負担を掛けない“手際の良さ”には驚くばかりだ。
検査結果が出る迄の間、他部位の触診や聴診器での診察と目・耳・口腔内を
診て頂いた。

先生「心拍・呼吸音共問題無し、目も大丈夫歯も奥歯に少し歯垢がありますが
   年齢からすれば綺麗な方ですよ。耳は奥の方に耳垢があるので掃除して
   おきましょうかね」

そう言うと鉗子に脱脂綿を巻き薬剤を染み込ませ手慣れた手付きでササ~ッと
耳の中を掻き回す。気持ちが良いのかカイもご満悦の顔をしている。

耳掃除のし過ぎは逆に外耳炎の原因になると言われていたので週1回程度して
いるがやり方が下手で結構汚れていたのが大ショックだった。

そしてスタッフの方がドアをノックして血液検査データを持って入って来た。
院長先生は手に取り上から眺めた後眉間に皺を寄せながら顔を上げ話始めた。
  
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# by fspencer | 2015-10-09 23:08 | カイの事 | Comments(0)  

忍び寄る病魔(その4)

仕事から自宅に戻りいつも出迎えてくれるカイの前にへたり込みながら詫びた。

「カイよ、明日チクン(動物病院へ行く時に使う言葉)行けないよ。勘弁な、カイ」

カイは尻尾をグルグル回しながら右前足を私の膝にのせて顔をベロ~~~ンと
舐めてくれた。
こんな時、私を見ている目で心の全てを見透かされている気がしてならない。

「僕は全然大丈夫だよ。それより元気出して早く散歩行こ!」って言っている。

金曜日出勤前の早朝散歩の時も特に異常は無し、小てママの午後と夕方の散歩
でも「いつも通りあちこち匂いを嗅ぎ回っているし大丈夫みたい」とLINEが届き
先ずは一安心。

そして帰宅後小てママからいつも通り晩御飯をガツガツ食べたと聞いてホッと
二安心。

夜の散歩の時もいつもと変わりなく取り敢えず明日の診断結果に全てを
託す事にした。

翌日の土曜日、少々出遅れていつもの動物病院へと車を走らせる。
カイはいつも通り後部座席の窓から顔を出して耳とぽっぺたを風でパタパタ
させながら鼻から抜けてく空気を楽しんでいる。

動物病院へ無事到着したが出遅れそして土曜と言う事で少々時間か掛かり
そうな順番だ。
こんな時カイは待合室の床に寝転びリラックスしているがかなりの面積を
占有するので出入りがある度足を引っ張ってモップ掛け状態で動かす。

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待つこと約1時間で「お待たせしました。カイ君、どうぞ~」と順番が来た。
院長先生に改めて事の経緯を話し、しこりの有る部分を伝え早速触診となる。

先生「確かにしこりがありますね。でも触診ではこれが何者か?判らないので
血液検査後に簡易組織検査をしましょう。電話でもお伝えした通り血管が
多い部位なのでカラーエコーで血管を確認しながら慎重に行います。」


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# by fspencer | 2015-10-07 20:17 | カイの事 | Comments(0)  

忍び寄る病魔(その3)

翌日も仕事だったが開院時間のAM9時少し前に席を離れ電話を掛ける。
だけど院長先生は早くも診察中との事で、スタッフの方へ大体の状況を話し
院長先生へ伝えて頂く様にお願いした。

そして午後携帯に院長先生から連絡が入る。

先生「喉にしこりとの事ですがどの辺りでどの位の大きさですか?」

私「人間で言いますと喉仏の少し下辺りで鶉の卵より一回り小さいです」

先生「う~ん、難しい場所ですね。診てみなければ詳しい事は言えませんが
   脂肪か若しくは甲状腺がんの疑いもあるので早めに来院して下さい」

「・・・・・・」※一瞬息が詰まり言葉が出ず間が空いてしまう。

先生「もしもし、どうかしましたか?」

私「ハイ、申し訳ありません。がんの場合やはり手術になるのでしょうか?」

先生「進行状況にも依ります。但し全身麻酔ですし血管も多い部位になるので
   非常に難しい判断です。でもまだ決まった訳ではありませんから余り考え
    過ぎず早めに来院して下さい」

私「分りました。お忙しい中色々と有難うございます。仕事の都合で明後日
  土曜日に伺いますので宜しくお願い致します」

と電話を切った後、身体中の力が抜けて行くのが分った。
明日金曜日仕事の都合上どうしても休む訳にはいかないので土曜日に行く旨
院長先生に伝えた自分がどうしようもなく悲しかった。

カイの生死を分けた3年前の「1日の違い」が頭の中を廻り更に私を苦しめる。
※「カイの九死に一生シリーズ」第6回をご参照頂ければ幸いです。

大事な相棒がピンチなのに仕事優先で病院へ連れていけない・・・でも会社を
休むとこっちがピンチになってしまう下っ端サラリーマンの辛さかな・・・。

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# by fspencer | 2015-10-03 20:14 | カイの事 | Comments(0)  

忍び寄る病魔(その2)

雨が続いたとある日、夜散歩の後レインウエアからはみ出ている足と尻尾
そして頭をタオルで拭きながらドライヤーを掛けていた時だった。
喉付近で指に何かが当たり最初は“軟骨?”と思ったが念入りに触ってみると
それは鶉の卵より少し小さなしこりだった。

良からぬ事を考え出しそうな心を落ち着かせ、先ずは小てママに知らせる。
そしていつもの動物病院に連絡と思ったが診療時間をかなり過ぎているし
院長先生の携帯に連絡するのも憚る気がして明日一番に連絡を入れる事で
自分を納得させた。

色々な事が頭をグルグル廻り少しの間ボーッとしていた私の足を踏んずけて
正気に戻してくれた黒い相棒は、いつもの様に尻尾をグルングルン回しながら
“散歩のご褒美早くちょうだいな”と私に向かって目光線を照射している。

そんな仕草が愛おしくて喉のしこり付近に手を当て、お袋が子供の頃良くやって
くれた御呪いをしてあげた。
痛いの痛いの 何処かに飛んでけぇ~

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# by fspencer | 2015-09-30 21:52 | カイの事 | Comments(0)  

忍び寄る病魔(その1)

“九死に一生”の割腹手術から早いものでもう3年が経過しようとしている。
当時を思い出す度に“良くぞ生きて返ってくれた”と今でも鼻の奥がツンと
痛くなり目頭が熱くなってくる。

その黒い相棒も12歳と約3ヶ月になり足先の白髪が更に増えては来たが
底なし食欲は相変わらず健在で、キャベツや大根そしてブロッコリーを
未だに生でバリバリ食しちゃんと消化してお出ましになる。

主食はずっとドッグフードだが、10歳超えを切欠に各メーカーの成分表に
基づき栄養バランスを色々な角度から調べ尽くし、価格も含めシニアの
大型犬にベストと判断した某メーカーの製品をチョイスし今も続けている。

それでも不足しがちになるタンパク質・鉄分・ミネラルの補給手段として
レバーの水煮(犬用の缶詰)を加えている。
その結果、筋肉量も落ちずボール投げ遊びでもそこそこ走ってくれるし
慢性的に低かった赤血球容積比39~40%が今は42%で安定している。
そして「毛艶が良いですね~」と言って貰える事が多く何より嬉しい。

食事だけでなく八種混合ワクチン注射やフィラリア予防薬投与は勿論の事
3ヶ月に一回血液検査も含めた検診を行い、日頃の観察と合わせ常に体調を
把握する努力をしているが、そんな事を嘲笑うかの様にほんの僅かな隙間を
狙って病魔は忍び寄って来る。

小てつが血液検査で全く問題無しと結果が出た3ヶ月後「再生不良性貧血」で
虹の橋に旅立った時の様に・・・。

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# by fspencer | 2015-09-28 20:09 | Comments(0)  

12歳になりました♪

昨日7月3日でカイは12歳になった。
小てつが生きた11歳9か月と4日を無事に越えてくれ
次はカイのお母さんクロちゃんが生きた13歳を越えて
くれる様に祈る毎日。

犬と人の年齢換算には様々な計算や考えが有る様だけど
大型犬の12歳は大体70~75歳の間位が妥当な気がする。

ガッシリとした体格とそれほど白くならない頬っぺのお陰で
見た目ではシニア犬と誰も思わないが、この「黒い弾丸」も
因る年波のパワーダウンはやはり隠せず散歩時間も全盛期の
3分の2に減り、雨が強い時には外に出たがらなくなった。

でもこ奴の強みは“鉄の内臓”で「九死に一生シリーズ全15話」
でも公開したが、お腹に詰まったビニールを取る開腹手術後
その強さが更に増し今だにキャベツや大根そしてブロッコリー
の茎を生で食べてもちゃんと消化してるしピーピーの下痢なんて
皆無だ066.gif

やはり心配はこの夏の暑さ・・・一番近い川まで約10分、そして
今日写真を撮ったいつも行く河原まで約20分、熱いアスファルトの
上を歩かせるなんてもうとても出来ない。
今年はエルニーニョ現象で梅雨が長引く予報もあるけど明ける迄に
何とか知恵を絞らなければ058.gif

カイよ、12歳の誕生日本当におめでとう067.gif
これからもずっと一緒だからね、大事大事な相棒カイよ053.gif

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# by fspencer | 2015-07-04 20:25 | カイの事 | Comments(0)  

明日は小てつの命日

明日5月14日は小てつの命日。

虹の橋に旅立ってからもう8年・・・当時5月に入ってから
小てつの容態が急に悪化しGWも無く動物病院に通い詰め、もう
動かす事も叶わなくなった時は院長先生に往診で点滴して頂いた
事を、そしてAM6時53分に私の腕の中で大きなため息をついて
永遠の眠りについた事を昨日の様に思い出す。

冷たくそして固くなっていく小てつの身体を抱きしめながら
だただた泣いた。生き返るはずもないのに
お願いだから目を覚ましてくれ 小てつ!
と泣きながら身体を揺さぶっていた。

それから一週間は魂が抜けた様に全てに対し無気力になり会社の
スタッフにも多大な迷惑をかけてしまった。

その時3歳と10ヶ月だったカイも7月で12歳・・・いつその時が
訪れるのかと思う度不安な気持ちに駆られ胸を締め付けられる。
「小てつを越えて」でもコメントした通り今はこれからの日々を
もっと大事にしてあげる事!それが私にとっても一番の妙薬なのだから066.gif

# by fspencer | 2015-05-13 22:20 | 小てつの事 | Comments(0)  

新しい家族(最終回)

その4でも書いた通りのあはクラルを見るだけで「シャーシャー#」言って
同じ部屋にも入ろうとせず気配を感じるだけでも「ふぅ~~#」と唸る始末!
それだけでなく大好きな次男坊の布団にもオシッコをして不満の意思表示を
繰り返していた。
でも時間が経つにつれ見慣れてきたのかそれとも唸るのに疲れたのかは定か
ではないがいつしかクラルが居ても部屋へ入ってくる様になり、天気の良い日は
一緒にベランダで鳥たちを眺めながら届かないのに身を乗り出している事も増えた。

何よりの関係改善は並んでご飯を食べる様になった事でこのシーンを見た時
不覚にも目頭が熱くなってしまった007.gif ※左から のあ クラル アテラ
尚、コマメはスペースと図体の都合上隙間に入れず反対(下)側でセッセと食事中060.gif

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ネコ達8個の目が一つの部屋に揃ったある日、小てママとしみじみ話した事を
お仕舞いに“新しい家族“を終わろうと思う。040.gif
「色々考えるとこの子が最後かもね・・・」 「出来ることならそうしたいけどね・・・」

クラル、ゆっくりおやすみ053.gif

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# by fspencer | 2015-05-09 18:19 | ネコさんの事 | Comments(0)